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生命とはいったい何なのだろう。生命の定義には諸説ありますが、「代謝する」「自己増殖する」の2条件を満たせば生命とする説が多数派となっています。代謝とは、簡単にいえば何かを食べてエネルギーにしたり、逆にエネルギーを使ってタンパク質などを作ることを指します。自己増殖は分裂や生殖によって自分の遺伝子を増やす行為のことです。

代謝を多く担当するのがタンパク質、自己増殖を担当するのがDNAです。そしてDNAとタンパク質の仲介役がRNA、つまりリボ核酸です。DNAは、4つの塩基が連なった二重らせん構造で、塩基の組み合わせが情報となり、髪の色や目鼻の形、体質などを決定させています。まさに「生命の設計図」といっても過言ではないでしょう。

人間の体は約60兆個の細胞でできていることはいろんな場面でいわれているのでご存じの方も多いか思いますが、そのすべての細胞核の中に存在するから、私たちは60兆個のDNAを持っています。タンパク質は、DNAが入っている細胞そのものを作っている人体の構成成分で、水分に次いでもっとも多く、古い細胞を新しくしたり、体を動かすエネルギー源となったり、あらゆる生命活動の要となっています。

DNAの遺伝情報を読み取って、タンパク質を作るためにアミノ酸を集めるのがRNAです。DNAによく似ていますが二重らせんではなく、1本で存在しています。地球上の生物は、すべてこのタンパク質とDNA、RNAのシステムによって生命活動を行っています。そのため私たち人類も含めたすべての生物は、共通の祖先から発生して多様化したと考えられています。

DNAとRNA、タンパク質は、相互に作用しあっているからこそ、代謝や自己増殖できるようになっています。しかし、最初期はこのような複雑なシステムは持っておらず、代謝も自己増殖も単独で行われていたと考えられています。DNAがないと自己増殖できないタンパク質、RNAがないと遺伝情報を使うことができないDNA、代謝や自己増殖の媒介として働くRNA。いったいどれが生命誕生のきっかけを作り出したのでしょうか。

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さまざまな起源説

DNAを生命の起源だとするのが「DNAワールド仮説」ですが、現在では少数意見になっています。DNAは情報を持っているだけで自分で使うことができないからです。しかし、2004年にDNAもタンパク質を作り出せる可能性が生まれ、復権を目指しています。

次が「RNAワールド仮説」で、今のところ最有力になっている仮説です。原初のRNAは遺伝情報を持っていて、単独で自己増殖を行えたいうのです。それが進化してDNAという壊れにくいものを使うようになったようです。DNAのタンパク質を作る能力が退化したと考える容リ単純ですね。この仮説は、レトロウイルスの発見によって有利となっています。「レトロ」とはウイルスの科名です。このウイルスは逆転写酵素を使ってRNAからDNAを作り出すことができるのです。

プロテインワールド仮説

ふたつの「核酸派」に互角の戦いを挑んでいるのが、「プロテインワールド仮説」です。これはタンパク質がはじめに存在し、その後、タンパク質に含まれる情報がRNAやDNAに伝えられたとする仮説です。タンパク質を合成するのに、RNAは不可欠ではありません。非リボソームペプチド合成酵素によってタンパク質を合成することもできます。この酵素が原初のタンパク質だったのではないかと主張する研究者も少なからずいます。

3つの説をあわせて考える研究者もいます。まずタンパク質が単純な自己複製を行っていて、そのうちに少し複雑な構造を持ったRNAが生まれる。作り出されるタンパク質のパターンも増え、より効率がいいDNAに進化して、安定した代謝、自己増殖が可能になった。それが生命の誕生につながったのではないかという仮説です。

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